この本は1689年にイングランドで出版された本。
今から300年以上前だ。
ジョン・ロックという人物が、自身の亡命の体験も相まって書き記した書。
この本は、
政治と宗教は別々にしなければならないということを謳っている。
17世紀にヨーロッパでは宗教の名によって、迫害や拷問や殺戮がなされた。
為政者が自らの信仰する宗教を絶対的に正しいものとし、それを信仰させようとし、それ以外を法の権力により排除することは、政治的役割の越権行為であり、宗教としても機能しない。
法は他者から侵害されないようにするためにある。
人を精神的に法によって幸せにするというのは、法の役割を超えている。
何故なら、人の精神は、なにかを信じるということを強制されえないからだ。
人の魂は、自分が信じることしか信じないようになっており、自分が確信することこそ、確信できるのだ。
その信じるところに宗教の救いの道は拓けるのであり、強制的に為政者にとって正しいとする宗教を信仰させようとするのは、人間の精神の在り方の道理から外れているのだ。
そして、それらの宗教戦争というのは、宗教自体が悪であるから起こったことではなく、異なった意見を持つ人々に対して、違いがあっていい、異なった考えがあっていいということを、受容・許容せず寛容を拒否してきたがために起こったのである。
宗教はあくまで手段であり、
それら手段を使う人間が、
どのような目的で使うかによって、
手段は人を幸せにするものにもなり、人を傷つけるものにもなり得る。
この「寛容」という、在り方がなかったことで多くの不幸が生まれ亡くなった方達の犠牲を忘れずに今に生かしていきたい。
人の考え方や信じるものというのは、人それぞれ。
違いがあって当然。
違いこそが面白味。
YOERU.