古代ローマ皇帝マルクス・アウレーリウス(131-180)本人が記した思索の数々。
今から約1900年も前に生まれた人物である。
内容は全く古くない。
生きる上での心のあるべき姿勢が記されている。
全文を通して徹底されているのは、自分自身を省みて律するその強靭な精神だ。
文体から溢れるその筋肉質な精神。
「文は人なり」というが、その強靭な精神力が文体から溢れている。
肉体のみならず、精神も鍛えて抜いてきたことがよく分かる。
「健全な精神は健全な肉体に宿る」というが、戦場で鍛え上げた肉体と、幼少時からエリート教育を受け、特に哲学を好んだというマルクス思想とそれを表す文体。
無駄な脂肪がない様が痛快。
未来でもなく過去でもなく現在に集中すること。
他人の魂の動向ではなく自分の魂の動向に着目すること。
この自省録は、凄いことに冒頭が感謝にて始める。自身の関わった人間達に対して感謝の辞を述べる。
ローマ皇帝の身でありながらも傲慢にならず、
自分がどれ程のことをまわりの人間から学んでいるか。それを忘れずにいる。
1900年も経つ今も読み継がれる、
素晴らしい名著であり、
素晴らしき偉人。
YOERU.